悪い男にハマる女の気持ちが猫を飼ってちょっと分かったって話

丸まって眠る猫のイラスト

猫ってマジ、すごいよね。

寝てるだけで、人を笑顔にするんだから。

丸まって寝てたり、
おなか出して無防備に寝てたり。

あれ見てるだけでさ、
なんか知んないけど、ふっと力が抜けるんよね。

さっきまで仕事のことでイライラしてたり、
しょーもないこと、うじうじ悩んでたくせに。

「あぁ〜、かわいいねぇ」

「あらっ、こんなとこに毛玉が落っこちてるわー♡」

なんつって。

私、急に優しい人間になってるし。

てか、
猫、何もしてない。

ただ寝てるだけ。

プープーいびきかきながら、
ただただ寝てるだけ。

それなのに、
見てるだけでこっちまで穏やかな気持ちになる。

あれ?
さっきまでの殺伐とした気持ちどこ行った?

なんなんだろうね、あの感覚。

私のなけなしの母性?ってやつが
湯水の如く溢れてくんの。

犬もかわいい。でも今の私には猫がちょうどいい

もちろん犬だってかわいい。

散歩してる犬の、
あのプリプリしたお尻。

あれなんてもう、癒しでしかない。
まさに眼福ってやつよ。

……見てる分にはね。

でも今の私には、
猫の気ままさが、ちょうどいいのかも。

犬って、

「飼い主、遊んでー!」
「飼い主、散歩行こー!」
「飼い主ー♡」

みたいなイメージあるじゃん?

もちろん犬によるんだろうけど。

あの全力の愛情は、
きっとめちゃくちゃ嬉しい。

こっちがどんなでも、
「ねえねえ、うちの飼い主って最高でしょ?」って、
会う人、会う人に言ってそうじゃん?

嬉しいんだけど、
今の私には、割と重め。

散歩に行かなきゃ。

遊んであげなきゃ。

ちゃんと構ってあげなきゃ。

気持ちに応えなきゃ。

って、

「やらなきゃ」がどんどん増えてしまいそうな気がする。

それがいつの間にか、義務に変わっちゃう感じ?

あのキラキラした目で見られたら、
こっちも頑張らなきゃって勝手に張り切って、
勝手に息切れしそうで申し訳ないんよ。

めっちゃ好きな人と付き合えて、
無理してカッコつけてる時みたいな。

その点、猫よ。

「あー、トイレの掃除よろしくー」

「遊んでやってもいいけど、今じゃなくてよくない?」

「あんまりしつこく絡んで来られると萎えるわぁ」

「あ、絡みたい時はこっちから行くんで…」

「てか、積極的に来られるとマジ引くんですけどぉ?」

って。

えぇー!?
……なんなん、その態度。

君、結構いいもん食ってんの知ってる?

てか、冷暖房完備だし。
休日は3時になれば、おやつだって出てくる。

半年に一度は、
優雅なバスタイムだってあるじゃん。

三食昼寝付きだし、
君んち、当たり物件だと思うよ?

完全に悪い男にハマっている

てか、考えてみれば、
猫ってなかなかのヒモ体質よね。

家賃払わない。

食費払わない。

光熱費払わない。

病院代も払わない。

掃除もしない。

なんなら毛なんか撒き散らして、存在感出しまくりだし
たまにゲロ爆弾という名のトラップ仕掛けてくるし。

おまけに媚びない。

なのに本人ときたら、

「私、一人でも生きていけますけど?」

みたいな顔して隣で優雅に寝てるんよ。

いやいやいや。

そのカリカリ、
誰が買ってきたと思ってんの。

そのぬくぬくした部屋、
誰が電気代払ってると思ってんの。

完全に養われてるくせに、
養われてる感を一切出さない。

なんなら、

「休日にちゅーるも出てこないなんて、
……この家も随分しけたもんよね」

くらいに思ってそう。

あれ?これって

……完全なるヒモじゃね?

でもね。

あんなだけど、
私にだけ見せる寝顔は無邪気でかわいいの。

……。

これ、アレじゃん。

悪い男にハマってる女が言うやつじゃん。

「彼ってね、あんな風だけど本当は優しいところもあるの」

みたいな。

あんなクズ男とは、とっとと別れろっていう女友達に
一生懸命弁解してる時のあの感じ。

あれ?
これってデジャヴ?

「あんたって、ほんと猫にだけは甘いよね〜」

って、家族や友達に言われるたびに、
私も似たようなこと言ってるわ。

「でも、仕事から帰ったら、
おかえりーなんつって玄関まで迎えに来てくれるんよ」

……あ。

男にのめり込む女と同じじゃん。

でも、そこにあるのは愛情というより愛着なのかもしれない

とはいえ、

私の方が一方的に猫に入れ込んでるように見えて、

猫だって少なからず、
私に対しての愛着を持ってるはず。

いや、きっと。

私から向ける愛情とは似てるようで
なんかちょっと違う。

毎日同じ家で暮らして、
同じ顔を見て、
同じ生活を繰り返して。

別にずっと一緒にいるわけじゃない。

猫は猫で好きなところで寝てるし、
私は私で好きなことしてる。

同じ部屋にいたって、
お互い知らん顔してることの方が多い。

でも、
ふと見ればそこにいる。

気づけば近くで寝てる。

気づけばキャットタワーの上で
私のことを観察してる。

たまに向こうからやってきて、
撫で回されて気が済んだらまたどっか行く。

たぶん猫にとっても私は、

「大好きでたまらない人」

なんて大層なものじゃなくて、

「いつもそこに当たり前にいるやつ」

なんだと思う。

案外、
それくらいでいいのかも。

結局、明日もヒモを養う

で、考えてみればさ。

朝から、

「あぁ、今日仕事行きたくねぇ」

って思ってても、

「メシくれー」

って起こされる。

いや、こっちは今、
仕事に行きたくない理由を全力で探してるんですけど。

「知らんがな。早よ、メシ。」

はいはい。

起きますよ。

ご飯あげますよ。

トイレも掃除しときますから。

で、なんだかんだ顔洗って、
着替えて、
仕事に行く。

猫がいるおかげで、
嫌でも生活が回ってる。

……あれ?

つーか、私、
猫に人間らしく生活させられてない?

なんて一瞬思ったけど。

待て、待て。

この子に美味しいもん食べさせて、
ぬくぬくした部屋で昼寝させて、

休日の3時には、
ちゅーるまで出してやらなきゃならない。

病院にだって連れて行かなきゃならないし、
トイレの砂だってタダじゃない。

そうなると、

やっぱ働くしかない。

……。

……あれ?

結局、私、

肉球の上で上手く転がされてんじゃね?

まぁ、いいや。

なんだかんだ、
このヒモを食べさせていかなきゃならないわけで。

……だってさ、
今更、生活水準を落とすのもかわいそうじゃん?

となれば、

明日も明後日も、

このダメ男(猫)を養うために、
疲れた心と体にムチ打って仕事に行ってきますよ。

で、

「ただいまぁぁぁ!」

なんつって、
帰宅早々しつこく絡みに行く。

すると、

スン。

迷惑そうな顔。

なんなら逃げる。

おい。

こっちはお前のカリカリ代稼いできたんだぞ。

もうちょっと何かないんか。

……ないんでしょうね。

せめて、

イカ耳で獲物見つけた感出してくるのだけは、
勘弁してください。

ちなみに我が家、
猫のトイレはトレッタを使ってます。

私ってやっぱ尽くす女でしょ?

猫がトイレに入ると、
スマホに通知が届く優れもの。

旅行中は、
神妙な顔して用を足す愛猫の姿を眺めるのが密かな楽しみ。

あ、そういや、
留守中に世話しに来てくれた、
母親の生存確認までできるおまけ付き。

猫の様子を確認するつもりが、
たまに母親まで映り込んでくる。

「お、二人とも今日も元気そうでなにより」

って。

まさか猫のトイレで、
親の安否確認までできるなんて……。

いい時代になりましたね。

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この記事を書いた人

アラフォー独身、豆腐メンタル。
自己肯定感は、基本控えめ。

どうでもいいことから、地味にしんどいことまで、気の向くままに綴ってます。

だいたい、自虐と愚痴でできてます。