休みの日って、いつもよりゆっくり寝ることできるじゃん?
あれ、幸せよね。
でさ、幸か不幸か私なんてひとり身だから、
誰かのために朝早く起きて、
朝ごはん作って、溜まった洗濯してって選択肢は全くないじゃん?
誰のためでもない、自分のためだけの休日。
なのに、今年の夏ときたら、まぁ容赦ない暑さだったじゃん?
それがここへ来て、ようやく暑さも息切れしてきた感あるでしょ?
朝晩もちょっとだけ涼しくなって、
寝苦しさもだいぶマシになってきて。
だって8月なんて、
夜の間ずっとエアコンのリモコンとやり合ってたし。
付けたら寒いし、消したら暑い。
じゃあ、いっそ付けなきゃいいやって思うけど、
暑けりゃ暑いで悪夢にうなされるし。
そんなのタイマー設定しときゃいいじゃんって思うでしょ?
でもさ、
あいつシレッと部屋冷やしすぎてくるじゃん?
こっちは微動だにせず寝てるんだから、
寒いっての。
そんな夏の寝不足からも、ようやく解放されつつありまして。
だから今朝なんて、
超さわやかに目覚めたわけですよ。
そばで寝てる猫にも、
「いや〜、よく寝たわ。」
「マジでスッキリしたわ〜」
なんつって、
聞かれてもいない本日の睡眠指数を報告したりしてね。
で、トイレ行ったりごはん食べたり、
いつものようにダラダラ過ごしながら、
そろそろスーパーに買い出しでも行くかって。
で、用意でもするかって洗面所に行って、
鏡見て度肝抜かれるんですよ。
さわやかに目覚めたはずの休日、鏡の中にはゴルゴが……
なに? この眉間のシワ……。
え……ゴルゴ?
いや、寝てたよね?
殺し屋にでも狙われてた?
それとも私が殺し屋だった?
ってくらい、
眉間にくっきり深いシワが刻まれてんのよ。
もしかして私、ひと仕事終えてきた?
確か1時間前、
さわやかに目覚めてたよね、私?
猫にまで、
本日の睡眠指数わざわざ報告してなかった?
なのに顔面を見るに、
さわやかさ皆無。
スッキリ感に至っては、むしろマイナス判定なんじゃない?
でさ。
年齢と共に、こういうシワとか跡って全然消えなくね?
ほら。
学生の頃なんて、
授業中、机に伏せてよく寝てたじゃん?
で、起きたら顔にブレザーの袖の跡、くっきりついてんの。
友達に、
「ちょ、顔!」
なんて笑われて、
「うわっ、最悪〜」
なんつって。
でも、そんなもん10分もすりゃ跡形もなく消えてたでしょ。
若さってすげーよな。
雑に扱っても勝手に元に戻るんだから。
それがよ。
今じゃ、全然元に戻らんのよ。
マスクのゴム跡って、こんなに消えなかったっけ?
いや、私なんてコロナの時に実感したもん。
顔についたマスクのゴム跡、なかなか消えねーじゃんって。
あの頃って、
ランチタイムだけが口元解放されてたじゃん?
とはいえ、黙食ムード真っ只中。
ひとり静かにご飯食べてたわけ。
で、後からランチに来る同僚や、
先に食べ終わって戻っていく同僚に、
ニッコリ微笑んで、
「お疲れ様です」
って、無言の会釈したりしてね。
こっちは普通に、
感じのいい同僚を演じてるつもりよ。
で、ご飯食べ終わって、
何気なく鏡見て、
マジか……。
って。
ほっぺにマスクのゴム跡、ガッツリついてんじゃん。
え。
私、ずっとこの顔でニッコリしてたん?
……はずかし。
いや、ほっぺにご飯粒ついてたとかなら、
まだいいよ。
多少の初々しさはアピールできたかもしんない。
でも、ゴム跡はダメだわ。
あれはもう、
肌年齢の衰え報告じゃん。
しかも、それを本人まったく気づかず、
ニッコリ微笑みながら無言で報告してたっていうね。
「私の肌、形状記憶機能をついに失ったみたいです」
って。
そりゃ、同僚も困るわな。
たいして仲良くもない同僚に、
「マスクのゴム跡、ガッツリついてますよ」
なんて。
私だったら……
言えない。
ましてや、
「それって、歳取るとなかなか消えないんですね」
なんて言おうもんなら、
完全に宣戦布告だし。
ランチ終わりに、
職場の空気殺伐としちゃうじゃん。
そんな数年前のことなんかも思い出しつつ、
で、今朝の眉間ですよ。
寝跡の滞在時間、年々延びてません?
これもさ、
若い頃なら顔洗って、歯磨いて、
着替えてる間にスッと消えてたと思うんよ。
ところがどっこい。
今日なんて、昼になってもまだいる。
さっきより薄くなった気はする。
でも、まだいる。
しぶとい。
もう寝跡っていうより、
滞在じゃね?
若い頃なんて、
せいぜい10分の短期滞在だったじゃん?
それが今じゃ、
こっちが朝ごはん食べ終わっても、
スーパー行く時間になっても、
いっこうに帰る気配ない。
お前、チェックアウト何時よ?
てかさ。
よく寝てスッキリしたはずなのに、
顔だけこんなに疲れてるってどういうこと?
本人は休日満喫しようとしてんのに、
眉間だけ平日引きずってんじゃん。
まぁ、そのうち消えるでしょ。
消えるよね?
……消えるって言って。
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