ホクロ毛に母性が芽生えた女の話
これは2025年の終わりから2026年のはじまりにかけて、
40代独身女性の私が
太もものホクロ毛に母性を抱いてしまった記録である。
12月って、なんとなくソワソワしてない?
イルミネーション、クリスマスソング、年末特番。
ああいうものを浴びていると、普段なら出てこない感情まで、うっかり前に出てくる。
どうやら私は、その空気にきっちり踊らされていたらしい。
たぶん私、あのときちょっと浮かれてた。
母性の向き先を、完全に間違えたらしい。
私の太ももにホクロがあるんですよ。
そこから一本、ニョキっと生えてる毛がある。
それが、今回の主役である。
ホクロ毛を放置してみた結果
正直に言うと、そのホクロ毛とは長年の付き合い。
抜く。
生える。
また抜く。
また生える。
無限ループ。
「え、まだ生きてんの?」ってレベルの生命力。
あれはもう、ホクロ毛界のタフガイ。
で、ある日ふと思ったの。
ホクロ毛を放置したら、どうなるんだろう?
やってみた。
観察という名の放置プレイ。
年末。
紅白を横目に、毛の成長を見守る40代。
今年いちばんの情熱が、そこに向いている。
でも、抜きたい衝動をこらえるたびに、
私たちは少しだけ、わかり合えた気がした。
抜く→生えるの無限ループと芽生えた情
気づけば、情が湧いていた。
トイレに行くたび確認。
「あ、昨日より伸びてる?」
「今日もちゃんと生きてるね」
もはや観察日記。
夏休みの朝顔より、気合が入っている。
それを見ているうちに、
なぜか守りたい気持ちが芽生えた。
40代独身女性、
年越しテンションで母性だだ漏れ。
ありあまる母性の行き先は、毛。
我ながら情緒の使い方が雑すぎる。
そして突然の別れ
別れは、突然だった。
ある日、いつものように確認したら。
いない。
……え?
触ってもない。
探してもない。
トイレで太ももをガン見する40代女。
通報されたら完全に負ける構図。
あんなに毎日一緒だったのに。
あの時、長さを測っておけばよかった。
ちゃんと、ありがとうと言っておけばよかった。
いや、毛に何を言うつもりだったのか?
結局、そのホクロ毛は戻ってこなかった。
たぶん私の愛が、重すぎたんだと思う。
浮かれた正月モードで、
母性を全振りしてしまった。
毛根ごと、そっと距離を置かれたのかもしれない。
でももし、また生えてきたら?
もちろん。
ソッコーで抜くけどな!!!
母性って、更新制らしいよ。


